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LoRaWANとプライベートLoRaの違い

LoRaWANとプライベートLoRaの違い イメージ画像1

LoRaWAN とプライベート LoRaは、物理層にLoRa変調を使用した無線通信規格ですが、上位のMAC層が異なり違う特徴を持ちます。
物理層は全く同じであるため、原則通信距離に違いはありません。

LoRaWAN とは

LoRaAllianceが策定した標準規格です。
通信処理には、LoRa専用のネットワークサーバーを使用し、異なるメーカーの機器同士での通信ができるメリットがあります。
また、既に設置されているLoRaWANのゲートウェイを使用できる無線環境では、自らゲートウェイを設置する必要はありません。

一方、標準規格であるために様々なアプリケーションや用途でのプロトコル最適化が難しく、柔軟性に欠くデメリットもあります。
また、どこかのLoRaWAN オペレータのゲートウェイ使用の場合、毎月の通信コストが必要となります。(含むLoRa専用のネットワークサーバー使用料)

プライベート LoRa とは?

MAC層に会社毎の独自の通信プロトコルを使用しています。
通信プロトコルが独自であるため、様々なアプリケーションや用途に対しカスタマイズが可能であり、通信ネットワークの最適化が可能となります。

一方、ゲートウェイの購入や設置は自ら行う必要があります。但し、自前のネットワークに対し最適な場所にゲートウェイを設置できるメリットもあります。

プライベートLoRaの最も大きいメリットは、デバイスからゲートウェイまでの無線間での通信コストが不必要となる事です。(オペレータ等との契約も不必要)

システム構成

LoRaWAN
エンドユニット⇔LoRaWANゲートウェイ⇔LTE/Ethernet⇔LoRaWANネットワークサーバー⇔サーバー/クラウド

プライベートLoRa
エンドユニット⇔プライベートLoRaゲートウェイ⇔LTE/Ethernet⇔サーバー/クラウド

LoRaWAN

LoRaWAN ではネットワークサーバーと接続するために通信事業者と契約する必要があり、エンドデバイス毎に通信料金が掛かります。

このためにエンドデバイスの台数が増えると通信コストが膨大になってしまうデメリットがあります。

LoRaWANのシステム構成と通信コストイメージ

プライベート LoRa

プライベート LoRa では、ゲートウェイを自身で設置する必要がありますが、ゲートウェイを設置すればエンドデバイスとの LoRa 通信の料金は掛かりません。

LoRa 通信の通信料金が掛からないため、通信コストを非常に低く抑えることが可能です。エンドデバイスの台数が増えても通信コストが上がる心配はありません。

プライベートLoRaのシステム構成と通信コストイメージ

設置性

LoRaWAN

LoRaWAN は既設のゲートウェイが使用できますが、実際は日本国内ではほとんど普及が進んでおらず既設のゲートウェイが使用可能な場所は限られており、ほとんどのケースでゲートウェイの新設が必要です。

プライベート LoRa

プライベート LoRa もゲートウェイの設置が必要ですが、プライベート LoRa 用ゲートウェイは軽量かつ小型のため設置が容易ですぐに運用を開始することが可能です。

ES920GWX2

双方向通信とカスタマイズ性

LoRaWAN

LoRaWAN では無線通信規格で送信タイミング等が厳密に規定されており、自由な双方向通信を行なうことができません。

プライベート LoRa

プライベート LoRa は独自プロトコルのため、思い通りのタイミングで通信ができ双方向通信も容易に実現可能です。

通信トラフィックや通信距離に影響する設定(無線通信チャンネル・拡散率・帯域幅)も思い通りに調整することができるため、柔軟な運用が可能です。

通信プロトコル自体のカスタマイズが可能なため、アドレス空間の拡張や通信リトライ等の仕様変更・設定変更もできる事により、アプリケーションや仕様による最適化が可能です。

IoT導入にはプライベートLoRaが最適!

プライベートLoRaとLoRaWANの比較

プライベートLoRa LoRaWAN
通信コスト ×
設置性
カスタマイズ性 ×
双方向通信

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EASEL では、低コストで導入・運用ができ、設置性・カスタマイズ性にも優れるプライベート LoRa を推奨しています。

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